人気ブログランキング | 話題のタグを見る

予防薬の通年投与だけでフィラリアを治療するのは良くないのか?

今回はかなりかなり難しいお話。夫監修。

最近話題の、イベルメクチン関連のお話である。

米国フィラリア協会(American Heartworm Society)のウェブサイトには、フィラリアに関する犬猫用のガイドラインが公開されていて、誰でも無料で入手できる(下のURL参照)。ただこれらは英語版。くるみのフィラリア治療をする時に、夫が一応目を通した。
https://www.heartwormsociety.org/veterinary-resources/american-heartworm-society-guidelines

先日、その夫がこんなことを言っていた。「予防薬の通年投与だけでフィラリアを治療するのって、米国のガイドラインには良くないって書いてあるんだよね。ちばわんでもそういうことになってる?」

う~ん、どうだろう。ただ、予防薬の通年投与はやめよう、という話は聞いたことがない。一先ず、ガイドラインでどうなっているか、夫に教えてもらった。以下、夫の作文を引用(※念のためにお断りしておくが、夫は理系ではあるが、医師でも獣医師でも、看護師でもない。ガイドラインも獣医向けの内容だけに、辞書をひきながら読んだようなので、日本語の解釈を全面的には信じないでほしい)。

===
【勝手訳】
マクロサイクリックラクトンの長期投与:予防量のマクロサイクリックラクトンを継続的に月次投与する、緩徐殺傷法は推奨しない。

【原文】
Long-term Macrocyclic Lactone Administration: Slow-kill methods using continuous monthly administration of prophylactic doses of any ML are NOT RECOMMENDED.
===

マクロサイクリックラクトンというのはマクロライド系駆虫剤のことで、マクロライド系駆虫剤というのは、フィラリア予防薬のイベルメクチンやモキシデクチンのこと。なので、意訳するとこんな感じ。「(犬の
フィラリアの治療のために、)予防目的の場合と等量の予防薬を、毎月投与し続けてゆっくり殺すやり方は推奨しない。」

推奨しない理由は、説明文(以下は原文、ガイドラインのSummary資料にはこの説明文がない)によると、どうも、完治させるまでに時間が掛かるため、その間に症状が進行し続けるから。耐性を持つフィラリアを発生させてしまう懸念もある。

===
【原文】
While effective in reducing the life span of juvenile and adult heartworms, it appears that the older the worms are less susceptible, taking longer to die. The adulticidal effect of macrocyclic lactones has been shown to take more than 2 years of continuous administration before adult heartworms are 95% eliminated, and the timing for rigid exercise restriction is unknown with this approach. Throughout this period, the infection would persist and pathology would continue to progress. Another important concern in using macrocyclic lactones in monotherapy of heartworm-positive dogs as stand-alone therapy is the potential for selection of resistant sub-populations of heartworms.
===

米国フィラリア協会が勧める治療法はメラルソミン(ヒ素系駆虫薬)を使うもの。もちろん、メラルソミンだけではなく、予防薬とボルバキア抗生剤、メラルソミンの3種を使う方法。メラルソミンで駆虫すると血管が詰まってしまいそうな子には、ちょっと難しいようだ。



結局は、かかった獣医さんがどういう治療を勧めるかってことなんだと思うが、う~ん、どうなんだろう。私には難しくてよくわかんない。実際にちばわんでは、預り中のワンコも、卒業ワンコも、通年投与で治っている子は少なくないのだ。反対にくるみは陰転できてないし。


予防薬の通年投与だけでフィラリアを治療するのは良くないのか?_c0357573_14101585.jpg

くるみ 『・・・むずかしい・・』

その顔、眠いんやろ。


by sunny-side_upup | 2015-10-30 08:19 | くるみの健康 | Comments(2)
Commented by きなママ at 2015-10-31 15:25 x
くるみちゃん難しい顔してますね。
きなの預かりさん(はなこさん)宅「カブくん」もフェラリア治療(ボルバキア)
を続けていました。去年5月から初めて5度目の投与後にまだ陽性反応で
結局6回目の投与で陰転しました。7回目の投与も覚悟されていたようですが
いずれにせよどうなの・・・続けていいのかな・・・不安は出てきますよね
結局はくるみママさんの言われるように獣医さんとのかかわりや信頼関係
のもとに本人にとって一番ベストな方法を選択していくしかないのかなぁ~
・・・むずかしい・・・くるみちゃんの顔になっちゃう(笑)
ハロウィンの写真 よく撮れてますよ! 
むづかしい顔はダメよダメダメ(古)
Commented by sunny-side_upup at 2015-11-01 11:56
きなママさん
カブくんも陰転しましたよね。ブログ見ました。くるみは4回で一旦止めましょうと先生に言われた時、夫婦揃ってちょっと納得はしてませんでしたが(まだ続けてもいいんじゃないか?と思ってました)、先は見えてきてるので、先生の言う通りにしました。そこは先生の知識と経験にお任せするしかないですね。
そう言えば「ダメよ、ダメダメ」消えましたね(笑)


2014年に推定6歳で我が家にやってきたくるみと、2019年に推定3歳で迎えたかや、新たに2023年推定3歳で迎えたひわとの日常あれこれ。くるみは2023年1月17日推定14歳でお星さまに。


by sunny-side_upup

カテゴリ

全体
くるみ
かや
ひわ
くるみ&かや
かや&ひわ
くるみの健康
かやの健康
ひわの健康
土日のくるみたん
土日のかやたん
土日のくるかやたん
土日のひわたん
土日のかやひわたん
おうちごはん
うちのオジサン
ワンコグッズ
くるみのブログ
かやのブログ
くるみごはん&おやつ
ワンコごはん&おやつ
買ったもの
食べ物&外食
生活
お出かけ
ウラン
私(我が家)のこと
いぬねこ
おもちゃ
その他
未分類

以前の記事

2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
more...

最新のコメント

> oogurai23さ..
by sunny-side_upup at 08:07
ウチもソレで月一病院行き..
by oogurai23 at 09:26
> oogurai23さ..
by sunny-side_upup at 22:36
かやちゃんはおおらかです..
by oogurai23 at 12:44
> ぴのこさん えへへ..
by sunny-side_upup at 15:07
かやちゃん 本当にかわい..
by ぴのこ at 13:33

最新の記事

たまにしか作らないくせに
at 2024-03-26 08:08
触られるのがお好き?
at 2024-03-25 08:08
チェルシーを買いに
at 2024-03-22 08:08
謎の軟体動物
at 2024-03-21 08:08
今朝のめざましちゃん
at 2024-03-20 08:15

記事ランキング

検索

タグ

(72)
(40)
(34)
(33)
(29)
(23)
(19)
(14)
(14)
(12)
(11)
(11)
(11)
(10)
(10)
(9)
(7)
(6)
(6)
(5)

ファン